乳がん治療手記18

病理結果

2005年12月28日(水)   病理結果と術後治療方針

術後2度目の診察。今日は相棒も付いて来てくれる。I 先生の診察は木曜日なんだけど、明日から病院が年末年始の休みなので、いつもと違う部屋でのイレギュラー診察。

今日も溜まったリンパ液を抜くということで、「プンク」は大きいのか小さいのか、と聞く看護師さんに、
「大きいのにしようかな。大は小を兼ねる、ってね」
と、I 先生。ところが診て貰ったら、もう抜く必要無し、ということになった。

病理結果が出てて、結果を印刷した紙を見ながら説明を受ける。

組織診断
浸潤性乳管がん、切除
転移リンパ節、郭清

組織所見
1.4cm x 1.1cm、乳頭腺管がん
中度の乳管内進展、乳腺・脂肪組織・リンパ管:++、血管:−、切除端:−
核異型度:3
Her2:1+、エストロゲン受容:99%、プロゲステロン受容:95%、
リンパ節:レベルT‐1(1/8+)、T‐2(0/1−)、レベルU(0/2−)



細胞診ではコメドがん、針生検では充実腺管がんと出て、で結局、乳頭腺管がんですか。

おぉっ、エストロゲン受容が99%! リンパ節転移は1個だけ?一体何個あるのやら、と思ってたんだけど、ちょっと拍子抜け。

でも、先生が言うには、リンパ節の転移を顕微鏡で調べる時、スライスした面を見るから、陰性と出たリンパ節でもスライス面以外にがん細胞があった可能性は否定出来ない、のだそう。うーむ。良く考えたら、顕微鏡で判断するミクロの世界。いくらこま切れにしたって見えない部分はあるよねぇ。まあ、この結果を結果として受け入れるしかないんだけど。

血管侵襲も陰性でちょっと安心。異型度3と、リンパ管2+は、相変わらず悪いけど。リンパ管侵襲については、
「リンパ節に転移があるのだから、リンパ管にもあって当然」
なのだそう。

腫瘍サイズは、治療前の2.5cmが1.4cmだから、FECが多少効果があったのか。で、腫瘍の後ろの部分の筋膜は切除したけど、筋肉は全然取らなかったんだって。病理結果で切除端も陰性だったから、筋肉にがんが入り込んでた可能性は低い、ということで、この点も安心。

「ただ、リンパ節郭清したといっても、胸骨傍リンパ節というのは取ってないので、これに関しては放射線治療をしっかりしましょう」
ということだ。

リスク分類・術後療法選択基準が書いてある用紙に、私の病理結果を記入してみると、
「リンパ節転移あり(1〜3個)、かつHER2陰性」
にあてはまって、「中リスク」になる。のだけど、この「中リスク」って、
「リンパ節転移なし、かつリスクファクターがある」
のと、リンパ節転移あり、かつリスクファクターが2個(腫瘍径を、治療前の2.5cmとするなら3個)ある私の場合が同じリスクに分類される、って、ちょっと変......

先生も、「中リスク」にチェックを入れたものの、
「中リスクでも、高リスク寄りですね」
と、すぐに「高リスク」をグルグルとまるで囲む。やっぱり〜〜(ー ー;)。

「ホルモン療法が効きやすい方なので、これはした方がいいですね。化学療法なんですが......」
タキソテールとFECをすでにしてるので、タキサンのもう一つのパクリタキセルを毎週か3週おき。もしくは、FECを後2回追加するか。
「パクリタキセルを今回使わなければ、万が一、不幸にも再発してしまった時に使えますね」
「再発」という言葉に、ギクッとしてしまう。

......その言葉は聞きたくないですぅ。そうなったら、完治の可能性はほとんど無くなってしまうのに、その時のためにパクリタキセルをとって置いてもねぇ。

「FECを2回した後、パクリタキセルもする、という選択はありますか?」
「そこまでしなくてもいいでしょう。TとFECで十分強力な治療をしてますからね」
「でも、タキソテールは効かなかったので、しなかったのと同じですよね......」
「うーん......」
「やっぱりやり過ぎですか......」
「リンパ節転移が、例えば10個以上もあったとか、そういう場合であればそういう選択もあると思いますけど、りまこさんの場合そこまでする必要は無いと思いますよ」
「FECは、8クールする場合もあるそうですが」
「それは、FECやEC単独で治療する場合、6クールとか8クールという選択もあり得る、ということです」
FECかパクリタキセルか、だったら......
「じゃ、多少効果のあったFECでお願いします」
効くかどうか分からない薬より、少しでも効果の実績のある方にした方がいいか。

ということで、来週、新年早々からFEC2回、その後放射線とホルモン療法を開始することになった。

化学療法を始めるまでのノルバデックスも処方して貰う。処方代がもったいないから、と I 先生気を利かせてくれて、来週のデカドロン、タガメットとセルベックスも一緒に処方してくれる。


待合室で待っていた相棒に、診察の内容を早速報告。ホルモン療法が効きやすい、というのが大きな朗報。リンパ節転移が1個しかなかったことも朗報だと言えるけど、悪く取れば術前化学療法したのに転移が消えなかった、ということになる。

そもそも、治療する前にリンパ節転移はいくつあったんだろう。今となっては知るよしも無いんだけど、「いくつか」腫れている、と言ってたから2個以上はあったのかも。例えば、元々もっとたくさん転移していた、とすれば化学療法で1個にまで減った訳だから、全身への効果もあったはず、なんじゃない?逆に、元から1個だとすれば、それはそれで複数あったというよりはまだいい、ということで......

モノは考えよう、いいようにとっとこう(^_^;)。


本日の支払い:    420 円也。
本日のお薬代:  1,690 円也。
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2005年12月29日(木)   年賀状作り、ニュージーランドの医師に報告

今日、年賀状を仕上げる。

ここ数年、年越しは海外だったので年賀状を書くのはホント久し振り。絵手紙風の絵が描けるフリーソフトを使ってみたかったので、それで犬の絵を描く。うーん、マウスで絵を描くのって難しいー。なんか、子供のお絵描きみたいな仕上がりになった。

相棒に、どう?と見せたら、
「何これ。ネコ?」
「違ーう!イヌ!来年は戌年なの!」
「イヌぅ?どう見たってネコだ」

これのどこがネコよ。全く失礼なー!

......やっぱりネコにしか見えない?......

ま、いっかー(^ ^;)。

ニュージーランドでお世話になったD先生にも、これまでの経緯の報告がてら送っとこう。生検の結果乳がんだったこと、化学療法を経て手術したこと、追加の化学療法の後放射線治療とホルモン療法が控えていること、を新年の挨拶に書き添える。


2005年12月31日(土)  年越し

相棒が日本での年越しは初めてなので、大晦日の夜をテレビを見て過ごしてから、二人で近くのお寺に出掛ける。 そこで除夜の鐘を1回ずつ突いた後、その近くの神社へ向かう。

参道に出来た長い行列に加わってのろのろ歩いてから、犬の絵の付いた枡を頂く。その後、新年の参拝。

一番最初に浮かんだのはやっぱり、病気が再発しませんように。そして、皆が元気で1年を過ごせますように。

それから、相棒が待ちに待っていた利き酒!私はあまり日本酒は飲まないんだけど、相棒はサケに目が無い。おいしい、おいしい、と私の分まで飲み干す。そして今度は先程とは違うお酒を貰いに行く。それを飲んでしまうと、またまた酒樽の方へ歩み寄る。よく飲むなぁ。結局4種類程の日本酒を全て試し飲みしていた。

日本酒のカップを持って、焚き火の前で温もっている時、ふと相棒が言った。
「見て、あの二人」

若いカップルが、火の前にしゃがみ込んで、食い入るように炎を見つめている。

「まるで、初めて火を見てるみたいやね。......なんて素晴らしい新年の迎え方やろう。連れて来てくれてありがとう」
と、しみじみ言うので、
「タダ酒飲めたからでしょ?」
と返す。

まあ、相棒の言いたい事は分かるけど。イギリスやニュージーランドでは、パーティーだカウントダウンだ花火だと、大騒ぎでの年越しが多いからねぇ。除夜の鐘を突いて、神社で利き酒しながら、焚き火に当たって静かに迎える新年、というのは、相棒にとって新鮮だったんだろうな。

私も、6年振りに日本で年を越したわけだけど、やっぱり新年はこうでなくちゃねー、と日本人としての自分を改めて認識した。


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