乳がん治療手記20

放射線治療・ホルモン療法開始

2006年2月23(木)   診察、ホルモン療法開始

化学療法が終了してから初めての診察。ホルモン療法を決めるに当たり、生理がどうなっているか聞かれる。

11月を最後に、生理は止まってしまっている。12月の手術入院中、いつやって来るかとヒヤヒヤものだったんだけど、有難いことに結局来なかった。それから今日までも、全く無し。完全に止まってしまっている。

「じゃあ、一応閉経とみなして、アリミデックスを始めましょう」
ということで、1月分処方して貰う。

抗がん剤で生理が止まってしまった場合、そのまま閉経してしまう場合もある、とは聞いている。実際に閉経しているかどうかは、私の年齢では微妙で、血液検査をした結果で判断することになった。閉経していなければ、卵巣機能を止める注射と、タモキシフェン服用となる。

放射線治療についても簡単な説明がある。

病理結果で切除断端が陰性だったので、追加照射は無し、等の話があったけど、あまり詳しい説明は無かった。どうやら、放射線科に一切委ねられているみたい。

帰りに採血、4週後の診察と、明日の放射線科診察予約を入れる。


本日の支払い:   420 円也。
本日のお薬代: 5,890 円也。
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2006年2月24日(金)  放射線科診察

まずは放射線治療担当医から治療の詳しい説明を受ける。

短い前置きの後、
「では、あなたの病名を言って下さいますか」
と、おっしゃる。
?......何を今更?と思いつつ、
「右乳がんです」
と、答えると、
「では、これを」
と、書類を渡してくれた。

最初の項目に、

1)病名、病状:右乳癌

とある。

放射線治療医からは病名を告げない、という様な決まりごとでもあるのかな。がんと知らずに放射線治療を受ける患者さんがいるのかもしれない。

書類には、

  • 温存手術の場合は放射線治療が必要だということ
  • 治療の方法は、週5日毎日2グレイずつ、それを5週間で合計25回照射するということ
  • この治療によって、手術した乳房内再発予防が期待できること
  • 今日の位置決めと治療初日の手順について
  • 治療中及び治療後に起こり得る副作用について

    が記してあって、それについて説明してくれる。

    ほぼ全員に起こる副作用は、照射した皮膚が腫れたり、日焼けの様な状態になるということと、通院疲れによる倦怠感など。この間お茶した3人は、揃って「痒い痒い」と言っていた。

    稀に起こる副作用は、放射線酔いと血球減少。血液については、治療期間中に一度血液検査をするのだそう。

    治療が終わってからは、色素沈着、乳房の変形・硬化など。終了してから2〜6ヶ月後に、放射線性肺炎、というのも稀にあるそうだ。

    照射野について、リンパ節を郭清した腋にも照射する、という話があった時、
    「リンパ浮腫になり易くならないですか?」
    と訊ねると、
    「肺になるべくかからない様に、慎重に角度や位置を計画すると、どうしても腋下にかからざるを得ないし、リンパ節郭清のあとに照射する事も重要です」
    という事だった。


    その後看護師さんが、治療中の注意事項を丁寧に説明してくれる。

    照射中は動かない、というような事と、胸に描かれたマークを消さないようにする、皮膚を優しくいたわる、ブラジャーは柔らかい物やワイヤー無しのゆったりした物を使用する、など。

    照射自体は痛くも痒くもないらしいし、時間も着替えを含めて数分、だそうなので楽勝とも思うんだけど、その数分間の治療の為に1ヶ月間毎日病院通いするのが大変だ。今までグータラ過ごしていただけに、久し振りに会社通いする事にでもなった気分。


    続いては位置決め作業。CT撮影をして、コンピュータで計算した照射野を皮膚上に光で投影し、ペンで線を引く。両体側には、丸いシールを張る。

    「線とシールは、月曜まで取らないで下さい」
    と、担当技師が念を押した。治療は、予約無しで午前のどの時間に来てもいい、診察は予約して毎週金曜に受けて下さい、会計は1週間分を金曜日にまとめてするのも可能、との事。最後に、
    「質問や気になる事は無いですか」

    実は、I先生が胸骨傍のリンパ節にも放射線をしっかりかけましょう、と言ってたけれど、ちゃんとかかるようになっているのか、心配になってきていた。そのことを言うと、
    「不安があるようなので、もう一度話を聞いた方がいいですね」
    と、診察してくれた医師ともう一度話せるように手配してくれる。

    恐縮しながらも、医師に質問すると、もちろんその様にする事になっています、と言う事だった。

    手間を取らせてしまって申し訳なかったけれど、私の不安に対してちゃんと対処してくれたのは、嬉しかった。

    本日の支払い: 4,420 円也。
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    帰りに通勤用定期券を購入。一駅乗り越して、ウォーキングして戻る。

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    2006年2月27日(月)  放射線治療開始

    治療初日。25日に再々来日した相棒が、付いて来てくれる。

    先週と同じ技師さんに呼ばれ頑丈な扉を通って治療室に入ったら、
    「まずは、お顔の写真を撮らせて下さい」
    と、ポラロイドカメラで写真撮影。あーしまった〜。今日はカツラ無しの毛糸帽だけだったー。

    そこの台に、腕を支える器具があって、台の上に横になった時に右腕だけバンザイする格好になるようになっていた。

    照射する前に、また位置決めをするようで、先週引いた線に更にペンでどんどん描き込まれる。縦横斜め、直線に曲線、かなり大胆に描きたい放題描いてる感じ。その時気付いたんだけど、手術あと周辺で、描かれている感覚がすっと無くなる場所がある。感覚がかなり鈍くなってるなぁ、と何となく感じてはいたけど、ペンで線を引かれていると、その周辺は全く感覚が無いのが良く分かる。

    それが済むと、いったん技師さんが出て行き最終確認。そしていよいよ治療本番。技師さんが扉を閉めて出て行ったと同時に、ビーと音がして、しばらくするとジリジリという音が聞こえてくる。巨大な機械が台の上にかぶさるようにあって、そのどこかから放射線が出ているのだと思う。

    思っていたよりも少し長いことジリジリという音が続いた後静かになって、技師さんが入って来た。今日は位置決め確認があったから時間がかかったけど、明日からは数分でチャッチャと終われるみたい。

    本日の支払い: 14,990 円也。
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    家に帰って改めて胸を見てみると、何ともまあ、好き放題に落書きしてくれたなぁ、と思わずため息。ケバケバしい赤い線で、訳の分からない幾何学模様をピカソを真似て描いてみました!って感じ (- -;)。

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    2006年2月28日(火)  第二の大台に乗る

    今日も相棒が一緒に来てくれる。10時半頃に着いたら、10分程待っただけですぐに順番が来て、思った通りチャッチャと治療が済む。帰りは街をぶらぶら。

    そして、今日は私の誕生日。相棒のおごりで、両親も一緒に夕食は中華料理店に出かけた。

    ああ、40歳になってしまった。病気の事が無かったら、30代から40代になるってあまり嬉しくなかっただろうと思う。

    いやまあ、第二の大台に乗ってしまった事自体は、飛び跳ねて喜びたいとは思わないけど、誕生日を無事迎えられた事は、素直に嬉しい。何しろ病気が発覚した時は、次の誕生日はもう無いかも、なんて悲観してた時もあったから。

    これからは、誕生日を迎える度に、又年とったなと思うと同時に、今年も無事誕生日を迎えられた、としみじみ思うんだろうな。

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    2006年3月3日(金)  治療と放射線科診察

    週一の放射線科診察がある日。

    今日も相棒が付いて来て、治療を終えた後二人で待合室に座る。待合室にはどう見ても高校生位の女の子が座っていた。頭には、私と同じような毛糸帽。どこの部位かは知らないけれど、あんなに若いのに......

    私自身、がん患者としては若い部類に入ると思ってたけれど、もっと若い小さな子供のがん患者さんとかももちろんいるわけで、そういう小さな子達も健気に頑張って治療受けてるんだろうな、などと考えてしまった。

    診察では、皮膚の状態や他の副作用が無いかを聞かれる。今の所、全く何も無い。毎日治療の帰りは一駅歩いているし、至って元気。皮膚も、まだ変化は無し。

    「ほとんど全員の方に、日焼けと同じ症状が出ますが、出るタイミングは人それぞれです」
    まあ、まだ1週間だからね。

    本日の支払い: 13,960 円也。 (放射線治療 3,940円 X 4回分)
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    帰りに二駅歩いたら、2時間かかった。途中雪が降ってきて寒かった。二人で歩くと少し疲れる程度だったけど、この距離を一人で歩くのはちょっとしんどいかも。

    今日は夕食に巻き寿司を作る。6本出来て、4人でこんなに食べられるかな、と思ったけれど、相棒がすごい食欲で食べてくれたので、ほとんど無くなった。





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