乳がん治療手記10

タキソテール3回目

2005年8月14日(日)   首にしこり?

首筋にある、小さなしこりのような物には、転院する少し前に気付いていた。怖くて、今まであまりその事を考えないようにしていた。 事実、治療が始まってからはあまり気にならなくなっていた。見つけた時は、

もうこんな所にまで転移してるの? と、絶望的な気分になったりもしたけど、化学療法が始まった時には、

抗がん剤で消えてくれるかも...... という気持ちから、

リンパ節じゃなくて、脂肪の塊とかかもしれないよね。 と、思うようになっていた。 それが、なぜか最近又気になり出して、

やっぱり何かある。 と、気が付けばしょっちゅう首筋を触っている。

怖いけど、次回診察の時先生に聞いてみよう......


2005年8月18日(木)   タキソテール3回目

相棒はあんなに嫌がっていたのに、私の状況や母の心配を汲んで、実家に居てくれる、と言ってくれていた。相棒には申し訳ないけど、ホッとしている。
「病院には一緒に行く」
とも言っていたのだけれど、案の定やって来て2日後に風邪の症状が現れ、
「うつったらいかんから、あっち行け」
と、食事も別々になっていた。今日は見るからにしんどそうで、声もかなりひどい風邪声になっていて、とてもじゃないけど私の病院に付き合うどころではない様子なので、相棒は置いて病院へ出掛ける。

今日の白血球数は、7200。ちゃんと回復してくれているな。ま、投与量を少なくしたからね。今日は腹痛もかなり治まっていて、体調は万全。まずは、
「首に、豆粒のような物があるんですけど......」
と、気になっている首筋のしこりを診て貰う。
「......これは、違うでしょう......もしここまで転移してたら鎖骨の方にも来てるはずだからね。うん、鎖骨のリンパ節は腫れてないし。心配しなくて大丈夫」
はー、良かった〜〜。

「胸の方のしこりはどうですか。小さくはなってないですか」
と、先生は前回と同じ事を聞く。
「触った感じではあまり変化ありません」
「......今日でタキソテールは終わりにした方がいいかな......ま、エコーで見てみましょう」
と、しこりをエコーで見てくれる。
「あまり変化無いですねぇ」
個人差があるとは言え、初投与でかなり小さくなったり柔らかくなったり、という話をネットの掲示板でも聞いていたので、先生にハッキリそう言われ、ちょっとガクっと来てしまう。何だか、出来の悪い生徒にでもなった気分。

「次回からFECを始めましょう」
と言うI先生に、一番心配な事を聞く。
「小さくなってないということは、全身に散らばっているかもしれないがん細胞にも効果が無かった、という事ですか?」
「それは分からない。しこりは細胞が何億も集まって出来た物だから、何億って言う単位の数の細胞が死なないと小さくならないけど、体に散っている数個の細胞に対しては効いてるかも知れないし、効いてないかも知れない」
「それでしたら逆に、タキソテールを最後までした方がいいんじゃないんですか?」
と聞くと、
「術前にしなかった分は、術後にするのでご心配なく」
ということだった。

コンピュータに処方箋を入力しながら、
「ムコスタ錠はどうします?」
と聞くので、デカドロンとプロテカジンに加え、今日も胃薬のムコスタ錠を処方して貰う。今まで胃薬は5日分出して貰っていたけど、薬が切れるとどうも調子が悪くなるようなので、今回は10日分。ついでに、
「プロテカジンと、ムコスタ錠ってどう違うんですか」
と尋ねる。抗がん剤投与後3日間飲むプロテカジンは、強力なお薬で、ガス○ー10と同じ作用でH2ブロッカーというので胃酸の分泌を抑えて、胃を保護する薬。私の胃の調子が悪いのに対して飲むムコスタ錠は、胃粘液を増やしたりして胃を守る薬で、慢性的な疾患に使う薬なのだそうだ。

その後、化学療法センターでいつものように、持参のお弁当を食べながら点滴。今日も前回と同じ右腕にして貰った。針を刺して貰う時に何となく、前回と全く同じ場所はイヤだなあ、と、
「そこは前回刺した所なんですけど......」
と、私の血管をさぐっている当番の医師に言うと、
「なんで」
と、聞き返された。
「......同じ所に針を刺したら、血管が硬くなる、と聞いたので......」
「そんなの、あまり関係ないよ」
と、結局前回と同じ所に刺された。すんません、素人が口出しして(ー_ー;)......

本日の支払い: 28,150 円也。
本日のお薬代:    880 円也。
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2005年8月20日(土)   浴衣にカツラ

今日は、相棒と近所の神社に盆踊りに出掛ける。

せっかくなので、私は浴衣を着込んだ。バンダナは合わないだろうし、カツラに帽子でも変なので、カツラのみで出掛ける。昼間とは違ってバレにくいかなー、と思って。

盆踊り会場では、私の頭に妙な視線を投げ掛ける人はいなかった。その帰りに寄ったスーパーでふと、鏡になった壁に映った自分の姿を見て、ギョッとした。明々と光る蛍光灯に照らされて、

私の頭は、テカテカと黒光りしていた。

あちゃー、コレは、見るからにヘン......夜といえども、電気の明かりの中に入る時は要注意、だなー(^^;)。


2005年8月23日(火)   週5時間、歩こうー、歩こうー、私は元気ー♪

相棒がネットで、「運動が乳がんの再発リスクを低くする」という記事を見つけた。

1976年から女性看護師の健康状態を調査してきた研究の中で、1984年から1988年までに浸潤性乳がんと診断された約3000人を2002年まで追跡調査した結果、運動した人達の方が、しなかった人達に比べて再発が少なかった、というアメリカの研究結果の記事だ。

記事によると、普通の速度のウォーキングと同程度の運動を、週1時間未満しかしなかった人達との比較で、3〜5時間した人達で、再発のリスクが一番下がった、という。

また、ホルモン受容体陽性の人達の方が陰性の人達より、そして、平均体重よりも重い(BMI25以上)人達の方が普通の体重の人達よりも、運動で得る利益が大きい、ともあった。

運動が体にいいというのは、もはや常識だけど、一体どの位やれば乳がんに対抗出来るのか、を考える上では、この研究結果は一つの目安になるんじゃないかと思う。

病気になる前も肥満防止の為に、努めて歩くようにはしてたけど、特に目標を定めるでもなかった。これからは週5時間を目標に、がんばろー。


2005年8月26日(金)   遠方の友人からの郵便物、食べ物について

札幌に住む高校時代からの親友から郵便が届く。

病気の事は、3週間程前にメールで告白していた。それからというもの、頻繁にメールで東洋医学や食品添加物、残留農薬等の情報や、血行を良くする方法等を教えてくれていた。

届いた大きな封筒の中身は、産業鍼灸師兼マンガ家になっている高校時代のクラスメートのマンガ作品と、友人自身が書いた詩、そして中学生になる娘さんが書いた短編小説数編。遠くからでも力になりたい、という友人の一生懸命な気持ちを感じて、ありがたくて嬉しくて、胸が熱くなった。

マンガには、東洋医学から見た食についての話が載っていて、体を温める食べ物、冷やす食べ物等、面白くてためになる情報が詰まっていた。

Sちゃん、本当にありがとう!

それにしても、病気が発覚する前も、添加物の少ない食品を選ぶとか、野菜を出来るだけ多く摂るとか、食事には結構気を付けている方だと思ってたけど、残留農薬の話とかを聞くと、まだまだ甘かったなー、と思う。

病気が分かってから始めたのは、

こうして見ると、結構色々やってるんだ。まあ、がんに対抗するべく何かやっている、という自己満足だけでも、免疫力アップに繋がるかなー。
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2005年8月29日(月)   相棒がHD−DVDレコーダー購入

今日は散歩に、歩いて20分程の所にあるミドリ電化に行く。

特に欲しいと思う物は私は無いんだけれど、大型電化製品店に来るといつも相棒は、小型デジタルカメラやデジタルオーディオ機器等を手に取っては物欲しそうにしている。でも、いつも中古の家庭電化製品で満足している私達には、お高い新品のデジタル製品は、かなり敷居が高い。ニュージーランドでは、いまだにテレビの録画は中古のビデオデッキを使っている位だから。

それが今日は、HD−DVDレコーダーの売り場であれこれ見比べた挙句、
「これを買う」
と言い出して、そこにあった一番安いレコーダーをさらに値切りに値切って、3,000円引きで購入してしまった。こんな衝動買い、しかも3万円を超える買い物をするなんて、相棒にしては珍しい。まあ、震災直後に購入した私のビデオデッキが、最近壊れて使い物にならなくなっていた、というのはあるけど。

その日遅く、早速配達されて来たレコーダーを色々試しては嬉しそうにしている相棒を見て、ああ、これは一種のストレス解消なのかも、と思う。来日して2週間が経って、私の実家にも慣れてはきてるみたいだけど、やっぱり色々気疲れはあると思う。

一日に何度かは、自転車で出掛けたり、私と散歩や買い物に出掛けたりはするけど、多くの時間を狭い弟の部屋でラジオを聴いたりして過ごす以外に、何か気を紛らわすおもちゃが欲しかったのかも。弟の部屋にあるテレビは2ヶ国語放送の副音声を聞く機能が付いてないけれど、レコーダーを繋げばNHKのニュースや映画を英語で見る事も出来るし。私もその辺の配慮がちょっと足りなかったな......(-_-;)。


2005年9月1日(木)   今回の副作用、ムコスタ錠を処方して貰う

タキソテール2回目投与で、白血球が初回の時のようには激減しなかったので、3回目投与後の血液検査は省かれた。

今回の副作用も、味覚障害と多少の微熱以外には気になる物は無かった。4日後あたりに、又、指が痒くなったけれど、前回と同じく湿疹はひどくは出なかった。

腹痛は相変わらずだけど、胃薬を飲んでいると、ましなように思える。ところが、ほとんど毎食後に飲んでいたらムコスタ錠が切れてしまった。次回化学療法まであと1週間、無しでは不安なので、予約外だけれど、病院へ行って処方して貰うことにする。

「薬処方して貰うだけだから、いいよ来なくて。かなり待つだろうし」
と言ったけど、相棒は、
「行く。待つのに付き合う」
と言って聞かなかった。電車代だけでもバカにならないのに、と思ったけれど、とにかく出掛けたかっただけなのかも。

予約外診察受付用紙に、ムコスタ錠1週間分を処方して貰いたい旨を書いて提出し、1時間程待ったところで看護師さんに呼ばる。
「今日はお薬の処方だけですか」
しばらくして、I先生の判が押してある処方箋を渡してくれた。今日も待合室は患者さんで一杯で、こりゃ3時間は待つなぁ、と覚悟してただけに、早く済んで良かった。

本日の支払い: 420 円也。
本日のお薬代: 550 円也。
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