乳がん治療手記１３

ＦＥＣ３回目

２００５年１０月１９日（水）　友人の家へ遊びに行く

友人の家に招待されて、出かけて行く。告知された直後にもお邪魔したんだけれど、その時は病気のことは言えなかった。治療が始まってからはメールで今病院に通っている、と話していたこともあり、今回は正直に話した。

タマにでも顔を合わせる友人達には、やっぱり病気のことは話した方が、私は楽。皆長い付き合いだし、私も不器用だから、話さないでいるとどうしても受け答えが不自然になってしまう。

いつものようにお昼をご馳走になって、映画や本やその他諸々の事を、良くあれだけしゃべることがあるな、という程しゃべりまくって、げらげら笑ってとても楽しい時間を過ごした。Ｋ子ちゃん、ありがとー（＾　＾）。

２００５年１０月２０日（木）　ＦＥＣ３回目、投与量が元通りに

秋晴れ晴天。ここ２、３日で大分涼しくなって、秋らしくなって来た。

今日はまずはエコーで胸のしこりを診て貰う。
｢ちょっと小さくなってますね｣
｢ホントですか？｣
私もここ１週間で、小さくなってる？という実感はあった。やっと抗がん剤が効いてきてるんだ。
｢もっと、シュンってなって欲しいんだけどねぇ｣
と、しかし先生は言う。私は、少しでも小さくなってくれて嬉しいんだけど、つい先日気付いたことがある。
「腋のリンパ節のしこりが、１個ではなく奥の方にもいくつか触れるんですけど．．．．．．．」
「気になって、しょっちゅう触ってる？」
と、先生。最初に、リンパ節が「いくつか」脹れている、と言われていたので、不思議ではないんだけど、今までしこりが１個触れていたのが、よく探ってみたら他にも２個程小さいのを見つけて、気になってはいる。
「毎日触ってますー。．．．．．．あまり触らない方がいいですか？」
これには、先生、
「まあ、そうやね」
と言っただけ。

上着を着ていると、カーテンの向こうから先生の声が聞こえて来た。
｢あー、今日の血液検査ですけどねぇ、白血球が２８００。低いねえ｣
｢ええー？そうなんですか？前回の１週間後よりも低いですね｣
｢今日のＦＥＣ延期した方がいいかな．．．．．．｣
｢今日やりたいですー｣
早く術前化学療法を終わらせて、手術にこぎ着けたいのにー。
｢りまこさんは頑張り屋さんだから｣
と、側にいた看護師さんが言う。
｢じゃあ、エピルビシン１２０は無理やね。１００ｍｇでやりましょうか｣
と、先生。
｢来週まで延期したら、１２０でしてくれます？｣
｢それは分かりませんよ。白血球数が回復してたらね、出来ますけど｣
｢回復してなかったら、１００ですか｣
｢そうですね｣
｢．．．．．．じゃ、今日お願いします｣
せっかく投与量増やして貰ったのに、またもとの量に減らすのは不本意だけど、来週１２０で出来なかったら延期する意味無いしね。

今日もムコスタ錠処方をお願いすると、
｢同じ成分で、ムコスタより安いお薬がありますけど｣
と言うので、カプセル薬だというその胃薬を処方して貰う。ちなみにムコスタ錠は白い錠剤。デカドロンは、半分に減量して貰ってから特に問題はないようなので、それ以来ずっと１回３錠ずつ。

化学療法センターで、点滴の針を刺してくれる今日の当番医師が、
｢まだ血管残ってるね。今日は手の甲にしましょうか｣
と私の腕とカルテを見て言った。
｢え、痛くないですか？｣
まだ手の甲に針を刺されたことはない。腕の血管がまだあるのに何でわざわざ．．．．．．
｢痛いのは腕でも手の甲でも同じでしょう。腕の方のいい血管は手術の時要るからね。麻酔の点滴は針が太いからね｣
成る程。と言うことで、今日は右の手の甲。先生の言う通り、腕でも手の甲でも痛いのは同じだった。手術の話が出ると、ああ、いよいよ近付いてるんだな、と思う。

で、後で気が付いたんだけど、手術時の点滴は患側の右でなく左腕にするだろうから、今日はわざわざ手の甲にしなくてもよかったわけだ。右腕の血管は使い潰してしまっても、どっちみち手術の後は一生針は刺せないんだから。

本日の支払い：２７，０９０　円也。
本日のお薬代：　　　８６０　円也。
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２００５年１０月２１日（金）～２３日（日）　今回の副作用

胃のムカムカは、投与量が少なかったせいか前回よりは大分マシ。でも体がダルくて、金土と、昼まで寝ていた。

それも、日曜にはかなり良くなって、午後には市長選挙の投票に出掛ける。

２００５年１０月２７日（木）　血液検査・診察、相棒テレビスターに遭遇

投与１週間後の血液検査。なぜか白血球が５５００、と投与日の倍近くになっていた。普通なら減っているはずなのに、なんで？
「先週ＦＥＣしたよねぇ」
と、先生も不思議そう。ま、上がってるんだから、いっか。でも、ちょっと貧血気味なのだそう。ここ１週間やたらとダルかったのは、そのせいかな？

「次回、いよいよ最終回ですね」
と、先生が言ったので、すかさず、手術はいつ頃になるのか尋ねると、白血球が回復してくる１２月の初め頃かな、ということだ。

と、先生私の顔を見て、
「ちょっと、上見て．．．．．．何か顔、黄色いね」
「私、もとからこういう色なんですー」
先生．．．．．．それこの間も言いましたって（＾＿＾；）。ま、診察日には１００人近くの患者さんを診てるから、仕方ないか．．．．．．

本日の支払い：２５０　円也。
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相棒からの今日のメールに、驚く事が書いてあった。

湖水地方から戻って来てから滞在しているマンチェスターのユースホステルの近くで、ドラマのロケがあって主役俳優と話をした、と言うのだ。ロブソン・グリーンというその俳優は、警察物や法律事務所物といったドラマで、何度も主演をやっていて、イギリス人なら誰もが知っているテレビ界の大物俳優。相棒も私も彼の出演するドラマは必ず見る程のファン。なんでも、以前放映されたクリスマス時期の単発ドラマの続編を撮影してたのだそう。そのドラマ、去年のクリスマスにニュージーランドで放映されて、もちろんしっかり見ていた。

あの　ロブソン・グリーンと話をしたってェ～？一体どういうこと？！ファンの集いか何かでもあったんかいな。

人気俳優であるにもかかわらず、話してみるととても普通で、いい奴、なんだそうな。私宛てにサインを貰おうとも思ったけど、そんなのいらないだろうと思って、結局頼まなかったと言う。

そんなぁ．．．．．．あのロブソン・グリーンよー。欲しいに決まってるやんかーー。こんなチャンス、もう二度と無いだろうにぃ～。もぉ、相棒～～ッ！！（ＴoＴメ）。

２００５年１０月２８日（金）～３０日（日）　又しても食べ過ぎ．．．．．．、大物俳優と遭遇、の詳しい話

金曜日は、母と家電店へ出掛け、電気ストーブと母の歌のレッスンに使うテープレコーダを購入。帰りにお好み焼き、その後ソフトクリーム、とお腹一杯になるまで食べる。

土曜日は、昼食にラーメン。何かここ数日で急に食欲が出てきて、昨日今日とちょっと食べ過ぎ．．．．．．案の定、ここの所だいぶ治まっていた右腹痛がまたやって来る。

日曜日、相棒から電話。ロブソン･グリーンの件を詳しく聞く。ファンの集いなんかではなく、ロケ現場に入り込んで、「個人的に」話をしたのだそうだ。
「一体どうやって？！」
と、聞くと、
「音響係に頼んだ」
んだそうだ。そんな簡単に入れてくれるもの？そんな事してたら、撮影現場がファンだらけになって、ドラマの撮影どころじゃなくなると思うんだけど．．．．．．相棒は、興奮まだ冷めやらず、といった感じで、大物俳優にしては地に足が着いてて、全然偉ぶる風でもなく、とてもいい奴だ、と何度も言う。相棒と私が大ファンで、彼のドラマはいつも見ている、でも私が今病気だ、と言うと、「 肩を抱いて 」慰めてくれた、と言うではないか。

うそ～～！相棒めー、うまくやってくれちゃってーーー。私もロブソン･グリーンに肩抱いて欲しかったよぉ～～！！！

全く、ちゃっかりしてるんだからー。そんなに親しく話したんだったら、サインぐらい頼んでくれても良かったのに．．．．．．完全に舞い上がっている相棒の話を聞いて、私も興奮したけどね。でも、やっぱり羨ましい～～。

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２００５年１０月３１日（月）　イギリスからの手紙

イギリスからうすっぺらい封筒が届く。差出人は相棒。開けてみると、何か本から破り取った様な薄い紙切れ一枚。

なんだこりゃ。

裏返して見ると、大きな文字で何やら書き殴ってある。よく見てみると．．．．．．

TO RIMAKO
GET WELL SOON
WITH LOVE
ROBSON GREEN　xxx

（りまこへ
早く良くなって
愛をこめて
ロブソン･グリーン　xxx ）

こ、これは、まさか．．．．．．

ロブソン･グリーンのサインだぁ～～（◎o◎）！！！！

すごーい！しかも私宛て！なんだ、相棒、サインちゃんと貰ってくれてたんや。すごい、嬉しい～～！！ありがとう、相棒～～！！！

２００５年１１月５日（土）　巨大口内炎出現、しこりの変化