乳がん治療手記8

術前化学療法開始

2005年7月4日(月)   髪を切る

今日は副作用の脱毛に備えて、髪を切って貰う。

抗がん剤治療に関する冊子4冊の内、2冊はタキソテール、エピルビシン各抗がん剤投与についての物だった。タキソテールに関しての冊子を見ると、脱毛は避けられないようだ。他の情報でも髪はあらかじめ短くしておいた方が良い、とある。長いと抜ける時の精神的ショックが大きいとか、短い方が抜け毛の処理が簡単、という理由らしい。

帽子に取り外し出来る着け毛を自毛で作ろうと思っているので、去年切ったきりでセミロングになっている髪から、まずは自分で20cm程切ってそれをとっておいた。その後美容院で、
「思いっきりショートにして下さい!」
と言ってカットして貰った。美容師さんは、
「......イメージチェンジですか。どんな感じにしたいんですか」
と聞くのだけれど、生まれてこの方ショートになんてしたことがないので、どう言えばいいのか分からなかった。とにかく短くして貰いたいんだけど。ちょうど見ていたファッション雑誌にショートヘアの可愛い女の子の写真があったので、それを指差して、
「じゃ、こんな感じにして下さい」
とお願いする。満月顔で巨顔の私にはとても似合わないだろうなー、と思ったけれど、どうせすぐに抜けてしまうんだから、ま、いっか。
「耳周りはどうしますか」
「横もバッサリ短くして下さい」
と、全体的にかなり短くして貰った。意外なことに、ショートヘアも似合う?と我ながら思わせる、なかなかの仕上がりだった。

帰ってから母も、
「カワイイやん。似合う似合う」
と賞賛してくれ、ちょっとご満悦。シャンプーする時も、前とは比べ物にならない程楽で、ショートヘアもいいやん、と新しい発見。こんなことが無ければ、とてもここまで短くしようなんて思いもつかなかっただろうけど。

次の日、母に頼んで庭で写真を撮って貰った。
「また生えてくるんだから、いいやん」
と言う母に、
「でも、1年位は掛かるみたいだから」
と、撮って貰う。もしかしたら、ちゃんと生え揃わない内に治療再開となってしまう可能性だって、無きにしも非ずだし。親にカワイイと言われて喜ぶ歳でもないけれど、好評のこの姿を、写真でもいいから相棒にも見せたいし。相棒が来日する頃には、もう抜けてしまっているだろうから。


2005年7月5日(火)   私は病気?

相棒がEメールで、ニュージーランドの家の賃貸管理をお願いしている不動産屋に、今年は予定通りに帰れなくなった旨伝えたいが、理由を言った方がいいので私が病気だということを伝えてもいいか、と尋ねてきた。

え、そうなん?私病気なん?と、今更ながら思う。次の誕生日を迎えられるのかなぁ、とかテレビでサッカーワールドカップの話題があると、それまで生きてるんだろうか、とか考えて暗かったのに、転移が無いと分かるや否や、自分ががんだということが嘘のように感じ始める。総て自分に降りかかっている事だ、と言う感覚が全く無く、まるで他人事のように思える。胸にしこりがあるだけで、ピンピンしてるし。抗がん剤治療が始まって、色々副作用が出だしたら実感が沸いて来るんかな......
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2005年7月7日(木)   タキソテール1回目

とうとうこの日が来てしまった。あーあ、抗がん剤かぁ。これで本当の病人になっちゃうのかなあ。でも、やっと治療が始められるんだもんね。副作用は怖いけど。

今日の化学療法センターの予約は12:30。その1時間前にI先生の診察が入っている。
「誰かに付いてって貰った方がええよ。帰って来るのしんどいかもしれへんから」
と言う友人のアドバイスに従って、母に来て貰う。頼むまでもなく、母は付いて来る心づもりだったようだ。

父にはいまだに、病気のことは言っていない。この間の出血騒動の後、「胸にしこりがあって、検査して貰っている」という所までは母が言ってくれていたけど、それ以上父も聞かないので、その後は何も言っていない。ま、しばらくは、検査で病院へ通っている、とでも思っておいて貰おっか(^_^;)。

12時前に名前を呼ばれ診察室に入って行くと、
「さっ、今日から頑張りましょうか」
と言う先生の一声に、私も、
「はい、もう今日は覚悟して来ました」
と、やる気を伝える。
「血液検査の結果は......」
と先生は紙を一枚渡し、説明する。
「これが骨の数値、これが肝臓の数値、こちらが腫瘍マーカーで、どれも基準値内で異常無しです。白血球や赤血球の数値も基準値内ですね」
「エコーでは何か分かりましたか」
「うん、血流パターンを見ると、薬に反応しやすいタイプみたいだから、化学療法に期待しましょう。あと、リンパ節がいくつか腫れてますが......」
「えっ、転移は1個と聞いてたんですけど。いくつかって、何個くらい......(゚△゚;)」
とそこで、先生の首から下がっている携帯電話が鳴った。話し終えると、
「身長と体重を教えて下さい」
と尋ねて、計算機のような物で何かを計算してコンピュータにデータを入れる。投与する薬の量を入力しているみたいだ。
「副作用を抑えるお薬と胃薬を3日分出しますので、今日から食後に飲んで下さいね。後、吐き気止めも2回分出しておきます」
と、薬のデータをまたコンピュータに入れる。

もう何年も飲んでいるビタミンCのサプリメントと、母の勧めで飲み始めたメシマコブの錠剤を飲んでも構わないか、と尋ねると、特に問題は無い、ということだった。(追記:抗酸化作用のあるサプリメントは、抗がん剤や放射線治療の妨げになる可能性があるので、避けた方が無難、との見方もあるようです。)

その後、診察室の外で看護師さんの説明を受けた。手提げカバンを差し出され、化学療法センターの受付に渡すよう言われる。来週の診察の予約を入れて、いよいよ化学療法センターへ向かう。カバンの中をこっそり見ると、カルテがファイルごと入っているようだった。

受付で手提げカバンと予約券を渡すと、
「血圧は測りましたか」
と聞かれる。しまった。看護師さんから言われていたのに、すっかり忘れていた。受付カウンター内にある血圧計で血圧を測ると、今度は体重計に乗るよう言われる。タキソテールは浮腫になりやすいので、体重でむくみの具合を観察するそうだ。それが終わると、個室に案内された。入院患者のための個室を今は化学療法に使っているらしい。洗面台、お手洗い、カード式の液晶テレビもあってなかなか快適そうだ。母と、そこにある椅子に座り早速くつろぐ。

しばらくすると、看護師さんが点滴の袋を3つ持って入って来て、まず私の指に小さな装置を通す。
「それ何ですか」
と尋ねると、血液中の酸素の量を測る装置なんだそうだ。
「タキソテールがまだ届いてないですけど。今日が初めてですね」
それどころか、点滴自体生まれて初めて。
「副作用とか、色々心配なんですけど」
と言うと、タキソテールの例の冊子を持って来て、それを見ながら丁寧に説明してくれた。38度以上の発熱については、
「解熱剤を飲んでも下がらなかったら、来て下さい」
脱毛に関しては、
「大体2回目投与の辺りには、ちらほら抜け始めてますね」
まだ帽子やカツラを用意してないけれど、そんなに慌てなくてもいいのかな。冊子には吐き気のことも書いてあったけれど、
「このお薬で、ゲーゲー吐くという人はあまりないです」
と聞いて、ちょっと安心。

針を入れてくれる当番医師が来るまで時間があるそうで、カツラのパンフレットを持って来てくれた。ファッション用、医療用、とピンからキリまであるみたい。インターネットで購入するという手もある。このパンフレットの医療用ウィッグはお高くて、とても手が出そうにない。

そうこうしている内に、お腹の大きい別の看護師さんが道具一式を持って入って来た。そして私の腕を見て、
「いい血管してますねぇ」
と言う。
「えッ、そうなんですか?」
「ええ、真っ直ぐなのがたくさんあるし」
確かに採血はいつも肘の内側から問題なく出来るけど、まさか、血管を褒められるなんて思ってもいなかったなー。

やっと当番の先生がやって来て、針を入れてくれた。へぇ、思ったよりも手に近い所に刺すんだ。腕を曲げても血液の流れが滞らない箇所に刺すのだそうだ。まずは、吐き気止め一本とアレルギー止め一本の点滴。それだけで45分掛かる。途中メインの抗がん剤が届いて、点滴台に下げられる。見た所普通の透明の液体だけど、これを点滴したら髪が全部抜けてしまうなんて、一体どんな強い薬なんだ、と考えると恐ろしい。でも、同時にがん細胞も攻撃してくれるんだから、とにかく効き目を信じよう。

いよいよタキソテールが管を通って私の血管に入る時、体が予想外の反応をするんじゃないかと緊張した。が、特に何も感じなかった。管を良く見ていると、1cm程の長さの空気が通って行くのが見えたので、看護師さんに言うと、
「あまり長かったら抜きますけど、その位だったら吸収されるので、大丈夫ですよ」
というこだ。さらに、
「お昼食べてなかったら、何か買って来て食べてもいいですよ」
と言うので、お腹が空いていた事もあり、母にお弁当を買って来て貰った。そして、点滴しながら一緒に食べる。抗がん剤点滴しながら弁当食べたりして、気持ち悪くなったりしないだろうか、とも思ったけど、空腹には勝てなかった。タキソテールは全部落とすのに1時間程掛かった。その後、血管を流すとかで、もう一本点滴。全部で2時間近く掛かった。

その後もう一度血中酸素量を測って、終わり。初めての化学療法の感想は、「案ずるより生むが安し」だった。

本日の支払い: 33,340 円也......(゚Д゚;)。
本日のお薬代:  1,590 円也。
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その後、薬局で三種類の薬を購入。その内のデカドロンというのは、一回に6錠と言われ、
「えっ、6錠も?」
と、思わず聞き返してしまった。ああ、もう薬漬けだなぁ。

カツラのパンフレットを見ている時に、看護師さんが、
「今日この後、見に行かれるのがいいんじゃないですか。明日あたりから、ちょっと体がしんどくなるかもしれないので」
と言っていたので、帰りに早速カツラのお店を覘いてみた。勧められるままに試着。人毛と人工毛の混合のを二つ試したけど、デザインが何かミセス向けでイマイチ......被り心地は、軽くて良かったけど。それにそのお値段!母が買ってくれると言ってくれたんだけど、とてもじゃないけどもったいなくて......

その日の夕食は普通通りに食べられた。ただ、味覚障害なのか、食べ物が苦い感じ、何か薬品のような味がしたけれど、気にせず食べた。

昨日今日と相棒が電話してくれた。今の所何も副作用は出ていない、と報告。相棒の方は9日にイギリスを発つことになっている。ロンドンで同時多発テロが起きたというニュースが入っていたので、こんな時に出発して危険じゃないのかと心配なんだけど、マンチェスターから出国するので全く問題ないと言う。いつものように、日本に来る前にしばらくマレーシアに滞在する予定で、ランカウイ島に行く、と前から言っていた。去年の大津波で、ランカウイ島も被害を受けたと聞いているけど、大丈夫なんかいな。
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2005年7月8日(金)〜13日(水)   カツラ購入、手の甲ゴーヤになる

投与翌日は多少吐き気が出るのかと思っていたのだけど、全く何も無かった。今の所、味覚障害以外に際立った副作用は無い。相棒から電話。

日曜日、投与3日後、手の指が痒くなり、小さな水ぶくれのような発疹がプツプツできる。インターネットでカツラを申し込む。取りあえずは安物でもいっか、と人工毛モノで、ショートにする前の髪形に近いのを選ぶ。

月曜日、発疹が全ての指に広がる。痒い!夕食にお好み焼きを焼く。おいしく出来たので、調子に乗って2枚も食べる。

火曜日、発疹がますますひどくなる。手の甲にまでブツブツが広がって、全体が赤くなる。水につけたり扇風機で風を当てたりしてちょっと刺激があると、わっと腫れ上がって痒くてたまらない。庭にあるアロエを塗ったらちょっとマシになった?胃が痛い。昨日食べ過ぎたかな。カツラが届く。早い!早速被ってみる。思ったより自然かな?まあ、あのお値段の割には良かったんじゃない?

水曜日、予定より2週間も早く生理が来る。どうなってんの?両手の甲はもう発疹がすき間無くびっしりで、ゴーヤそっくり。手首にまで広がりつつある。母が、
「見るだけで痒くなるー!」
と逃げて行った。


2005年7月14日(木)   血液検査と診察

ここ2〜3日晴天が続いて外は暑い。蝉がミンミンとうるさく鳴いて、いよいよ夏本番。今日は、投与1週間後の血液検査の日。

10時に採血室で採血。11時半頃に呼ばれて、診察室に入って行くと、
「さてさて、かなりダメージを受けましたねぇ」
と、I先生。
「白血球が1200まで落ちちゃってる」
「えー、そうなんですか。全然自覚症状ないですけど」
「熱は出てないですか」
「ない、と思いますけど」
測ってないから分からない。
「感染症になり易い状態なので、予防措置として抗生物質飲んで貰いましょうか。5日分出しますので忘れずに飲んで下さいね。解熱剤も出しときます。後、来週も血液検査に来て貰わないといけませんねぇ」
......毎週連チャンか。
「それから次回から量減らした方がいいですね」
ま、それは仕方ないのかなー。

「あの、月曜にちょっと食べ過ぎて、それから胃の調子悪いのがなかなか治らないんですけど......」
月曜日にお好み焼きを2枚も食べたのに加え、これから約6ヶ月続く抗がん剤治療で痩せてしまうと見込んで、少しでも体重を増やそうと、普段あまり食べない菓子パンやらスナックやらをバカ食いもしてたからね(^_^;)。
「それは食べ過ぎもあるかもしれませんが、色んなことがあったんだから、ストレスも原因かもしれませんねぇ」
「そうですか......」
「胃薬も出しておきます」

生理が2週間早く来たことも言うと、抗がん剤の影響で周期が乱れているのだろう、ということだった。
「あと、手がこんなんなっちゃったんですけど......」
「あらら、痒そうですねー。いつからそんなんなっちゃった?」
「日曜日位から......」
「ということは、アレルギー止めが切れてからか。じゃ、痒み止めの塗り薬出しておきますね」
塗り薬でこの痒みが収まればいいんだけど。

本日の支払い: 1,600 円也。
本日のお薬代: 1,650 円也。
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相棒がマレーシアから電話してくれた。ランカウイ島では、思った程津波の被害は大きくなっかったらしい。夏なのに寒くて雨ばかりのイギリスを脱出できて嬉しそうだった。

夕食後、何かゾクゾクするなぁと思って、埃を被っていた体温計を出して測ってみると、38.5度あった。あー、熱出てしまった。解熱剤のロキソニンを飲んで、早目に寝る。
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2005年7月16日(土)   救急外来、ノイアップ注射

金曜の朝には熱は37度台に下がったのだけれど、午後にまた38度台に戻ってしまった。薬を飲むと下がったが、夜には38.7度。最後の薬を飲んで今朝は37度台。しかし、昼過ぎには再び38度を超えた。そして夕方やっとタクシーで病院へ。土曜日は普通の外来は休みなので、救急外来へ行く。

待合室は人で溢れ返っていた。こりゃ、相当待たされるなあ。受付で血圧を測り、体温計を貰う。38.5度。

待っている間暇つぶしに、受付へ次から次へとやって来る人達を眺めていると、結構面白かった。

3時間程待ってからやっと順番が回って来た。診てくれるのは、とっても若い女性医師。今ここにいる先生方は、皆若い。インターンなのかも。聴診器を当てたり、喉の奥を見たりした後、
「熱は、体のどこかが感染症を起こしているからなんですけど、どこか心当たりありますか?」
って、そんな事私に聞かれましても......(^.^;)

また待合室に送り出されてしばらく待ってから呼ばれ入って行くと、そこにI先生がいた。先生......今日はお休みなんじゃないんですか?前のN先生といい、この先生方はいったいいつ休みを取るんだろう。
「もう一度血液検査して、まだ数値が悪かったら白血球を増やす注射しましょう」
ということで、また採血。

結果が出るまで再び待合室で待った後、I先生に呼ばれる。
「白血球数は1200で変わりないんだけど、好中球数が17%っていうのがね、かなり低い数値なんですよ」
好中球は何種類かある白血球の内の一つで、外からの細菌と戦ってくれる細胞なんだそうだ。
「ノイアップ注射しましょう。骨髄を刺激して白血球数を上げるお薬で4日間続けて打たないといけないんだけど......本当は、入院して貰いたいんだけどねぇ。せっかくの連休に、いやでしょう」
「イヤです」
先月の入院体験を思い出して、即答する。
「今日1回目の注射して、明日もう一度好中球調べてまだ低かったら入院して貰います」
書類に何か書き込みながら、
「抗生物質は出してたんやったね。ちゃんと飲んで下さいね。あと、人ごみに出る時はマスクして、毎日朝昼晩と帰った後に、うがいもして下さい。うがい薬は出してなかったね......イソジンのうがい薬、好きですか?」
......?....はァ?(^_^;)??好きかと聞かれてもねえ......

その後、ノイアップ注射をして、うがい薬を貰って病院を出る頃には9時を回っていた。

本日の支払い: 9,630 円也。
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2005年7月17日(日)   ノイアップ注射2回目

夕方、またノイアップを打って貰いに救急外来へ。入院の可能性もあるので、2泊分の着替えや本等を持って行く。マスクも昨日購入して、しっかりと着けて行く。

今日は血液検査とノイアップだけなので、すぐに通されるかな、と思ったのだけれど、昨日と同じく受付で看護師さんの問診と血圧・体温測定。体温は38.7度。

今日の担当は、やはりお若い男性医師。何となく、さわやか〜な印象の先生。昨日と同じく聴診器を当てたり首のリンパを確認しながら、
「今まで大きな病気をされたことは?」
お決まりの質問なんだろうな、と思いながら、
「今回が初めてです」
と答えると、
「そうですかー」
と、さわやかに苦笑い。今度は背中を見て、
「このブツブツは?」
手の甲の発疹は薬を塗ってだんだんカラカラに乾いてきて痒みも大分収まってきているのだけど、首の後ろと背中にもニキビの様な湿疹が出て来ていた。
「タキソテールの副作用じゃないかと......」
と言うと、カルテを見て、
「今日は血液検査と、白血球を上げる注射ですねー」
ホッ、話が全然通ってないのかと思った。

看護師さんに採血して貰っていると、先程のさわやか先生がカーテンを開けてまた入って来た。そして、
「血圧いつもあんなに低いですか?」
と聞く。そうだ、上が80ちょっとで低いなあ、と思ってたんだ。
「いつもは110位なんですけど」
と言うと、すぐにまた出て行った。

看護師さんにノイアップを打って貰った後、待合室で1時間程待ってから血液検査の結果を聞く。白血球は2700まで上がっていた。
「好中球も30%ありますね。500無かったら危険な状態と言われてますけど、500は超えてるのでまあ安全域ですねー」
と、さわやか先生。結局入院は免除となった。良かったー。

本日の支払い: 4,830 円也。
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2005年7月18日(月)   ノイアップ注射3回目

今日は祝日なので、また救急外来へ。今日も体温は38度を越えている。白血球は回復してるのに、中々熱が下がらない。

今日の担当は、昨日のさわやか先生とは好対照の、おっとりした感じですごく真面目そうな男性医師。お決まりの質問や聴診器を当てたりをしながら、細かい字でカルテに何かを書き込む。そして、
「熱が高いですけど、だるいとかしんどいとかありますか」
と聞くので、
「あまり自覚症状は無いんですけど。と言うか、気温が高いのか自分の体温が高いのかよく分からないんで......」
と言うと、
「熱があるのにしんどくない、ということは、以前にもありましたか」
「......いやあ......熱自体あまり出さないんで(^_^;)......」
「血液検査で白血球調べたいんですけど」
えぇ?またぁ?
「昨日検査して、白血球2700まで回復してたので、今日はノイアップ注射するだけだと思ってたんですけど」
連日の採血と注射で、さすがに針を刺されるのに辟易していた。それに、今日こそは簡単にノイアップだけ注射して終わりだと思っていたので、ちょっとムッとした言い方になってしまった。
「ちょっとしばらくお待ち下さい」
と先生がカーテンの後ろに消えて行ったのに続いて、
「......1回目の化学療法の後......白血球数が......採血して......」
と、ボソボソと誰かと相談する声が聞こえる。再び入って来て、
「じゃ、3回目のノイアップ注射します」
と、その後看護師さんから注射器を受け取り自ら注射してくれた。手馴れた看護師さんと違って、慎重に慎重に狙いを定めて......見ているこっちまで緊張してしまった。

「どうもありがとうございました」
と出て行く私に向かって、
「これから大変ですけど、頑張って下さい」
と、声を掛けてくれた。ありがとう、先生も頑張って良い医者になって下さいね。

本日の支払い: 4,400 円也。
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2005年7月19日(火)   髪が......、ノイアップ注射4回目

脱毛が始まったみたい。今朝起きたら、枕にギョッとする程の量の抜け毛が......昨晩シャンプーしている時、抜け毛がひどいなぁ、もしかして始まったかな、とは思ってたんだけど。今日は気にして髪を触るだけで、もう抜けるわ抜けるわ。触らなくても、いつの間にか肩の上に髪が積もっている。一束掴んで引っ張ると、そのまま抜ける。と言うより、すでに全部抜けてしまっている髪が、重力に逆らってかろうじて頭皮にしがみ付いているだけ、と言う感じ。

最後のノイアップを打って貰うため病院の待合室で待っている間も、気になって何度かお手洗いの鏡をのぞきに行った。その度に肩の上の抜け毛を払う。ちなみに、今日は平日なので救急外来でなく、外科で火曜外来担当医師の診察を受けてから、処置室で注射して貰った。

本日の支払い: 3,830 円也。
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脱毛は1ヶ月位掛けてだんだん髪が薄くなってハゲてくる、と思い込んでいたんだけれど、この勢いだと1週間も持ちそうにない。抜け始めるとすぐにバリカンで丸坊主にしたとか、全部引っ張って抜いてしまったとかいう人の話を聞いていたけど、そんな思い切った事出来そうにない。確かに歩くだけでもハラハラと抜け落ちるので、抜けるだけ引っ張ったら全部なくなってしまいそう。せっかく頑張って頭にへばり付いてくれてるんだから、なるべく髪には触らないようにしようっと(^_^;)......

告知を受けた日でもぐっすり眠れたのに、この晩はほとんど眠れなかった。髪なんて又生えてくるんだから、と今まであまり深刻に考えてなかったんだけどなぁ......


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